34・Anger 怒り
禅の学生が盤珪(ばんけい)のところに来て言った。
「マスター、私には自分ではどうしようもない怒りがあります。
どうしたらそれを鎮めることができるでしょうか?」
「その怒りを私に見せてごらん」と盤珪は言った。
「おもしろそうではないか」
「いまはそれはありません」と学生は言った。
「ですから、お見せできません」
「そうであれば」 と髄珪は言った。
「それがあるときに私のところにもって来るがいい」
「ですが、たまたまそれがあるときに、それをもって来るわけには
ゆかないのです」と学生は抗議した。
「予期せぬときにそれは湧いてきます。
そして、それをあなたのところにもって来る前に、
私はまちがいなくそれを失ってしまうでしょう」
「そういうことであれば」と盤珪は言った。
「それはあなたの本性の一部ではありえない。」
「もしあなたの本性の一部であれば、
あなたはいつであれ、それを私に見せることができたはずだ。」
「生まれたとき、あなたはそれをもっていなかった--
--だから、それは外側からあなたのところに来たにちがいない。」
「提案しよう、いつであれ、それがあなたのなかに入って来たときは、
その怒りが耐えきれなくなって逃げ出すまで、自分を棒で打つがいい」
今度あなたが怒りを感じたら、家のまわりを七回走り回り、
その後で樹の下に坐って、その怒りがどこに行ったのかを見守るがいい。
あなたはそれを抑圧しなかった。
あなたはそれを操らなかった。
あなたはそれをほかの誰かに投げつけなかったのだ……。
怒りは精神的な嘔吐にすぎない……。
それを誰かに投げつける必要はまるでない……
ジョギングを少しするか、枕を取って、
その枕をあなたの手と歯がリラックスするまで叩くがいい。
変容のなかでは、あなたはけっして操らない。
あなたはもっと醒めるだけだ。
怒りが起こっている、
----すばらしい現象だ。
それはちょうど雲のなかの電気のようだ‥・‥・。
怒りが起こっているさなかでも、
もしあなたが突然意識するようになったら、それは落ちる。
それを試してごらん!自分が熱くなっていて、人を殺したい---
---そのさなかに- 突然醒める!!
すると、あなたはなにかが変わったのを感じる。
内側のギア、そのカチッという音をあなたは
感じることができる。
なにかが変わったのだ。あなたの内なる存在がリラックスした。
あなたの外側の層がリラックスするには時間がかかるだろう。
だが、内側の層はすでにリラックスしている。
協力が壊された…・‥もうあなたは同化してはいない。
肉体が冷めるには少し時間がかかる。
だが、中心深くでは、あらゆることがクールだ……。
クールなとき、あなたは全世界を楽しむことができる。
ホットなとき、あなたは失われている。---同化している。
あなたはそのなかでどうしようもなく混乱している。
どうしてそれを楽しむことができるだろう?
これは矛盾して聞こえるかもしれない。
だが、私はあなたに言おう、
この世界を楽しむのは覚者だけだ。
AND THE FLOWERS SHOWERED,PP.50-72
禅の学生が盤珪(ばんけい)のところに来て言った。
「マスター、私には自分ではどうしようもない怒りがあります。
どうしたらそれを鎮めることができるでしょうか?」
「その怒りを私に見せてごらん」と盤珪は言った。
「おもしろそうではないか」
「いまはそれはありません」と学生は言った。
「ですから、お見せできません」
「そうであれば」 と髄珪は言った。
「それがあるときに私のところにもって来るがいい」
「ですが、たまたまそれがあるときに、それをもって来るわけには
ゆかないのです」と学生は抗議した。
「予期せぬときにそれは湧いてきます。
そして、それをあなたのところにもって来る前に、
私はまちがいなくそれを失ってしまうでしょう」
「そういうことであれば」と盤珪は言った。
「それはあなたの本性の一部ではありえない。」
「もしあなたの本性の一部であれば、
あなたはいつであれ、それを私に見せることができたはずだ。」
「生まれたとき、あなたはそれをもっていなかった--
--だから、それは外側からあなたのところに来たにちがいない。」
「提案しよう、いつであれ、それがあなたのなかに入って来たときは、
その怒りが耐えきれなくなって逃げ出すまで、自分を棒で打つがいい」
今度あなたが怒りを感じたら、家のまわりを七回走り回り、
その後で樹の下に坐って、その怒りがどこに行ったのかを見守るがいい。
あなたはそれを抑圧しなかった。
あなたはそれを操らなかった。
あなたはそれをほかの誰かに投げつけなかったのだ……。
怒りは精神的な嘔吐にすぎない……。
それを誰かに投げつける必要はまるでない……
ジョギングを少しするか、枕を取って、
その枕をあなたの手と歯がリラックスするまで叩くがいい。
変容のなかでは、あなたはけっして操らない。
あなたはもっと醒めるだけだ。
怒りが起こっている、
----すばらしい現象だ。
それはちょうど雲のなかの電気のようだ‥・‥・。
怒りが起こっているさなかでも、
もしあなたが突然意識するようになったら、それは落ちる。
それを試してごらん!自分が熱くなっていて、人を殺したい---
---そのさなかに- 突然醒める!!
すると、あなたはなにかが変わったのを感じる。
内側のギア、そのカチッという音をあなたは
感じることができる。
なにかが変わったのだ。あなたの内なる存在がリラックスした。
あなたの外側の層がリラックスするには時間がかかるだろう。
だが、内側の層はすでにリラックスしている。
協力が壊された…・‥もうあなたは同化してはいない。
肉体が冷めるには少し時間がかかる。
だが、中心深くでは、あらゆることがクールだ……。
クールなとき、あなたは全世界を楽しむことができる。
ホットなとき、あなたは失われている。---同化している。
あなたはそのなかでどうしようもなく混乱している。
どうしてそれを楽しむことができるだろう?
これは矛盾して聞こえるかもしれない。
だが、私はあなたに言おう、
この世界を楽しむのは覚者だけだ。
AND THE FLOWERS SHOWERED,PP.50-72