え? あなた不幸なんすか?  え?  どん底ッスか!? 

そりゃあ良かったぁぁぁ~~~!!

いやぁ~~他人の不幸は蜜の味ですなぁぁ!!

なんでかって?


だって、その人は泥の底に触れようとしているからさなのさ!!

泥の中というのは、ハスの赤ちゃんのゆりかごだから....

だから、底が深ければ深いほど、その人は素晴らしい大輪の蓮華を咲かせるに違いないから!!



その人の不幸が、その人の狂気が、底の底まで辿り着いたとき!!

爆発が起きるのだ!!

素晴らしい!!...   だから、人の不幸があったら、さあお祝いだ!

そのシリアスな仏頂面にかんぱ~~い!!

その泣きっ面にシャンパンをぶっかけよう!!

この人の魂の解放は近い!!
この人はきっと、立派なブッダになるぞ!!!



39.Creativity   創造性

39 miner3_swords_10

 これは仏陀の物語だ。
 ほとんど狂っている人がいた。狂っている殺人者だ。
彼は千人の人びとを殺すという誓いをたてていた。
社会が彼をひどく扱ったから、それ以下ではだめだった。
千人の人びとを殺すことで、彼は復讐するつもりだった。
そして彼は、殺した人一人ひとりから指を一本取って、
自分の首にかけるロザリオを作っていた

-- 千本の指のロザリオ。この誓いがもとで、彼の名前は
アングリマーラ、『指のロザリオをかけている人』になった。

 彼は999人の人びとを殺した。アングリマーラが近くにいることを
知ると、人びとは誰もその方角には行かなかった。人の往来が止まって
しまうのだ。そのために、最後の人間を見つけるのが彼にはとても難しく
なっていた。自分の誓いを成就するには、あとひとりだけでよかったのだ。

 仏陀は森に向かっていた。
すると、村から人びとが彼のところに来て言った。

「行ってはいけません! あそこにはアングリマーラが、あの狂った
 人殺しがいます! 彼は思い直したりはしません、あっさりと殺して
 しまうのです。彼はあなたが仏陀だという事実を考えたりはしない
 でしょう。向こうには行かないでください! 別の道があります……


 だが仏陀は言った。

「もし私が行かなかったら、誰が行く?……彼は人間だ。彼には
 私が必要だ。私は危険を冒さなければならない。彼が私を殺すか、
 それとも私が彼を殺すかだ」


 仏陀は行った。最後の最後まで彼といっしょにいると言っていた
 もっとも近い弟子たちでさえ、あとずさりし始めた。
 これは危なかった!

 だから、アングリマーラが岩の上に坐っている、その丘に
仏陀が近づいたときには、彼の後ろには誰もいなかった。
彼は独りだった。弟子たちは消えていた。

 アングリマーラは、この無垢で、子どものような人を見た。
あまりにも美しかったので、殺人者である彼ですらその人に
慈悲を感じた。彼は考えた。

 「この人は私がここにいることにまったく気づいていないようだ。
  そうでなければ誰もこの道を通っては来ない」。


さらに彼は考えた。

 「この人を殺すのは良くない。彼を行かせることにしよう。
  誰かほかの人を見つければいい」


彼は仏陀に向かって叫んだ。

 「戻れ! いまそこで止まって戻るんだ!それ以上足を
  踏み出してはだめだ!私はアングリマーラだ。それに、
  見ろ、ここには999本の指がある。あと一本の指が必要なんだ。
  たとえ私の母が来ようとも、私は彼女を殺して自分の誓いを
  成就させる!だから近づいてはいけない。私は危険だ!それに、
  私は宗教など信じていない……お前は非常に善良な僧、偉大な
  聖者かもしれないが、私はかまわないぞ。お前の指でも
  誰の指でもかまわないんだ。一歩も先へ進むな、
  さもないとお前を殺す。止まれ!」


だが仏陀は進みつづけた。
 そこでアングリマーラは考えた。

  「こいつは耳が聞こえないが、狂っているかだ」。


もう一度彼は叫んだ。

  「止まれ! 動くな!」


 仏陀は言った。

 「私はずっと前に止まった。私は動いていない。アングリマーラ、
  お前は動いている。私にはゴールはない……それに、動機が
  なければ、どうして動きが起こりえよう? おまえが動いて
  いるのだ。 そして、私はお前に言おう、お前こそ止まるのだ!」


アングリマーラは笑い出して言った。

 「お前はほんとうにばかか、狂っているかだ。
  お前がどんな礼儀を心得ているのか私にはわからない!」


仏陀は近づいて言った。

 「お前にはもう一本の指が必要だと私は聞いた。この身体に
  関するかぎり、私のゴールは達成されている。この身体は
  役に立たない。お前がそれを使うがいい。お前の誓いは
  満たされるだろう--私の指を切り落とし、私の頭を切り
  落とすがいい。私は目的があって来た。これが、私の身体が
  なんらかの意味で使われる最期の機会だからだ」


アングリマーラは言った。

 「私はこのあたりでは自分だけが気違いだと思っていた。が、
  賢そうなふりをするのはやめておけ。それでも私はお前を
  殺すことができるんだぞ」


仏陀は言った。

 「私を殺す前に、ひとつのことをやってほしい--死んでゆく
  者の願いにすぎないがー この枝を切ってほしい」。

アングリマーラが剣を樹に振りおろすと、大きな枝が落ちた。
仏陀は言った。


 「もうひとつだけ- それをもう一度、樹につけてほしい」


 アングリマーラは言った。

 「お前が完全に狂っていることがこれでわかった。
  私は切ることはできるが、つなぐことはできない」


すると仏陀は笑いだし言った。

 「壊すだけで創ることができない‥‥‥
  お前は壊すべきではない。破壊は子どもでもできる。
  それには少しも勇ましいところはない。この枝は子どもでも切れる。
  だが、それをつなぐにはマスターが必要だ。それに、もしお前に、
  枝を樹につなぎ戻すことができないのなら、人間の頭だとどうなる?
  お前はそのことを一度でも考えたことがあるのか?」


アングリマーラは目を閉じて言った。

        「その道に私を導いてください」

    そして、その一瞬のうちに、彼は光明を得たと言われている。




    気違いになるエネルギーをもっている人は、
       光明を得るエネルギーももっている
     --それは同じエネルギーだ。向きが変わっただけだ。

   あなたが創造的になれなかったら、エネルギーは破壊的になる。




                THE MUSTARD SEED,pp.137-142
         邦訳「愛の錬金術」上・下巻 めるくま-る杜刊